相手が見えていない人

投稿者: | 2016年9月5日

ニンゲンはちょくちょく相手が見えなくなるみたいだ。
近すぎても遠すぎても、見えない。
相手がいることに気づかないっていうパターンもよくあるね。

ボクたちには、ふだんの生活でこういうことは絶対ない。
「ふだんの」というのは、ペンギン学校で長老の難しい話を聞いて「何のこっちゃ」となったりした時にはやっぱり見えなくなる時もあるからね。

でも、エサを探しに海に出かけた時なんかは「見えない」ってありえない。
そこにいるのは自分と、海と、うまくいけばボクのお腹に入るイカや魚たち。
イカや魚が見えなかったら食べられないからね。
まぁ、ごくたまにはオキアミの大群なんかがいて、もう口をパクパクさせて泳いでいるだけでたらふくごちそうを食べることができたりするけど、そんなのは例外中の例外。

見えなければ捕まえられない。
これはもう、アタリマエ以前のお話。

ニンゲンを見てると、「相手が見えない」にもいくつかパターンがあるみたいだね。

まず、
相手がいることはわかっているけど、動きが見えていないヒト

ニンゲンがよく熱中するスポーツで考えるとわかりやすいよね。
取っ組み合いでも、玉の打ち合いでも、相手の動きが見えなければこちらは右往左往するだけ。

それから、
動きは見えているけど、追いかけているだけっていうヒト

振り回されて、ノックアウト。
相手の動きを見たら、先を読んで、きっと次はこうくるだろうな、と先手を打たなくちゃ。
あちらもワンパターンじゃないだろうから、あーだこーだといろんな場合を想定しないとね。

最後に、これが一番やっかいだけど、
相手が目に入らない、そこにいることに気づいていないヒト

これってニンゲンの弱点だね。
人間はときどき自分の中のことを考えるけど、そんな時によく相手がいないと勘違いしてる。
自分だけを見てると、自分が動く時には必ず相手がそこにいることを忘れちゃうんだね、きっと。

外に出て雲とお話をする時みたいに、街に出ていろんな人とお話をしたらいいと思うよ。
実際にお友達とお話をする、
お友達じゃなかった人とお友達になってお話をする、
街で出会った人、見かけた人に「雲とお話をする」みたいに想像でお話をしてみる。

まずよく見て、動きを見て、今までどんなふうにしてきた人なのか、今日これから何をしようとしているのか、1年さき、5年さきにどんなことをしてるのか、想像してみたらいい。
自分がその人になった気持ちで、その人の今日、明日、ずっと先を感じてごらん。

ボクたちが魚を捕まえる時には、相手が見えたらまずその動きを追う。追いながら魚になって一緒に泳ぐんだ。そして、追わなくても動きが完全に一つになった時、魚はボクのお腹の中にいる。

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