そもそもやる気の「気」はどんな意味なのでしょうか。
「気」という漢字は小学校1年生で習う漢字80字に入っています。
しかし「気」の字が持つ意味は、残りの79字ほど明らかではないようです。
一 右 雨 円 王 音 下 火 花 貝
学 気 九 休 玉 金 空 月 犬 見
五 口 校 左 三 山 子 四 糸 字
耳 七 車 手 十 出 女 小 上 森
人 水 正 生 青 夕 石 赤 千 川
先 早 草 足 村 大 男 竹 中 虫
町 天 田 土 二 日 入 年 白 八
百 文 木 本 名 目 立 力 林 六
まず、他の79文字ほとんどが「学(まな)ぶ」のような「訓読み」を持つのに対して「気」には訓がありません。ということはやまと言葉で「気」に相当するものが無いということです。
一方、熟語には「空気」「天気」「気象」「気分」「雰囲気」「呼気」のように、とても多くに「気」の文字が使われています。「気」の旧字体は「氣」ですが、これは「气(きがまえ)」と「米」からできています。米は穀物一般を表しますが「气」の由来、意味は「かがんで息を吐く姿」、「米を蒸す時の蒸気」、「雲が湧き出る様子」など、諸説あるようです。どの説を採るにせよ、いろいろな形に変わってゆくもの、手にとってつかむことができない風のようなもの、といった含みが感じられます。
国語辞典で「気」を引くと、「自然現象」「生命の勢い」「心の動き」「感情」「雰囲気」「呼吸」などの意味が挙げられています。このような文字の成り立ちと辞書的な意味を考え合わせると、「気」には「心の働きの原動力として循環するもの」のようなイメージが浮かび上がってきます。「やる気」について考える時にも、「気」の文字がもつこのような「循環する」「動いている」という感覚を大切にしたいと思います。