とはいっても、それでは実際に何をするのか理解しづらいと思います。一例として私自身の取り組みの例を挙げますので参考としてご覧ください。
・ビジョン
取り組みには、はっきりとした順番はありません。私の場合、左下の「ヴィジョン」から順に時計回りに進み、最後が「全てを力に」でしたが同時にいくつかを並行して進めたり、行ったり来たりしています。ヴィジョンでは、まずNLPの「チェインプロセス」で自分の目標を実現するまでのステップを疑似体験しながらイメージ化し、次にエレノワの課題「ねんどで遊ぶ」で目に見える形でそれを象徴的に表しました。これには上から実際に見ることができる、目標達成を実現してから先のことが視覚的に見通せるというメリットがあります。さらに、エレノワの「外部イメージはいらなくなる」でそれ以上の外部イメージは使わないようになりました。
・コンディション
少し取り組み始めてみると運動不足と食事の偏りが気力充実を阻んでいるように思えてきました。運動面では、得に自宅で終日過ごす時には腹筋1000回、シャドー縄跳び4000回を目標に体を動かすようにしています。歩く時の上半身、下半身の安定感が大いに向上し、何かに取り組む時の集中力や取り掛かりの勢いが増すようです。食事面ではいわゆる糖質ダイエットを指向した栄養バランスを心がけ、たんぱく質、野菜をそれまでに比べると倍以上に増やしています。
・モデル
メディア断ちと外に出るのは「動く・働かす」ことにきっかけを与えます。室内にこもりがちの日常行動に止まっていると思考が固定的になってしまいますが、外に出ることはそれを解放します。この取り組みでは「今あるもので作る」ことを目指していますので、それを意識的にリストアップすることはそれ以降の取り組みのために役に立ち、忘れていた資産、在庫していたけれど働かせていなかったものを明らかにします。「何からできているか」は親世代やそのさらに両親などにさかのぼって、どんな時代をどんな思いで生きてきたのかをできるだけ具体的、感覚的にイメージします。私の場合にはこれによって自分が目指すべき軸が見えてきました。自分が生まれる前に両親が聴いていたであろう音楽、生まれてから今に至るまでで強く印象に残っている音楽をプレイリストにして何回も繰り返し聴きました。その曲を聴いたり演奏したりしていた頃のことが鮮明に蘇り、時としてその時とは違う印象に驚くこともありました。音楽は感情とともに記憶されますので、感情の記憶を呼び醒ましたり、それを再編集したりするのにはとても有効です。
・視点
文字どおり視覚の注視点という意味もありますが、どちらかというと注意のフォーカスととらえた方が近いかもしれません。カラダの中のある具体的な一点に順に集中したり、素早く移動させたり、天高くまで飛ばしたり、大地に根を張ったようなイメージを描いたり、外から自分を見て自分のまわりを一周したり、といった練習をします。また、逆に「集中しない」練習をするのも一つのポイントです。
「正反対の視点をとる」は徹底的にアマノジャクになる、ということです。これはもともと得意でしたが、得意なアマノジャクに対してさらに「ふだんの自分のものの見方(=アマノジャク)から正反対」ということで、人並み、つまりある意味ノーマルな見方の練習というのも面白い経験でした。ここから一気に普通に戻る時の勢いは「メタに上がる」ためのはずみとなり、また「多様な視点」の両極を「アマノジャク」によって始めにまず押さえることで様々な見方がとりやすくなります。
「自由にメタに上がる」というのは、どこまでも上がろうと思えば上がれる、ということです。最後にたどり着く「一番メタな視点」が自分の「内部尺度」ということになります。
・自分を自在に動かす
「ネガティブな信念を消す」「言語表象(象徴的な表現=言葉であらわした物事のラベル)から自由になる」はNLPを参考にしました。「感情から自由になる」はマインドフルネスやヴィパッサナー瞑想を参考にしています。この取り組みを簡単にして「ぴさふわ」としてまとめてありますのでご参照ください。
・全てを力に
この取り組みが最終的に目指すところは「やる気、モチベーションのモト、わくわくはどこにでもある」ということがリアルに生き生きと感じられるようになることです。ここまで一巡できて、全体が一つのイメージにまとまり、実際に自分がそのイメージに沿って動くことができるようになればひとまず完成です。