問:就活で大事なのは?
答:積極性とコミュニケーション能力
問:職場で大事なのは?
答:積極性とコミュニケーション能力
問:社会人としてもっとも大切なことは?
答:積極性とコミュニケーション能力
問:情報系エンジニアで優秀な人とそうでない人が一番違うのは?
答:積極性とコミュニケーション能力
では、「積極性とコミュニケーション能力」っていったい何?
ひとことで言えば「受け身でないこと」かな。
この「受け身」っていうのはボクにはとんとわからない。
だって、ペンギン学校なんて行くも行かないも自由だったし、エレノワの宿題はしなければしないで「ハイ、もういちど」って言われるだけだし、長老の話なんて誰も聞いてないことの方が多いし。
海の潜り方や魚の捕まえ方はお手本をお父さんが見せてくれたけど、うまくいかなくて叱られたっていう覚えはとんとない。できればボクが嬉しいし、できなければ息が苦しくなってボクがツライか、ちょっと悔しい、それだけ。あとは、首尾よく上手にできればおいしいイカが食べたれるのがご褒美。誰も手取り足取り教えてくれたりはしない。ただお父さんや上手なトモダチの真似をしているうちにボクもできるようになって、もっと上手になりたいっていろいろボクなりの工夫をしてみる、そんな感じ。
人間の世界では、望んでも望まなくてもいろんなコトを次から次へと教えてくれて、消化できたかなんてお構いなしにどんどん先に進んで行くらしい。ちゃんとわかったかしら、もう一度しっかりやった方がいいんじゃないの? ってどうして誰かが考えないんだろう。
ニンゲンは自分で海に出ていっしょうけんめい泳がなくてもイカや魚をお腹いっぱい食べられるし、よその国のニュースや芸人さんたちの面白い話が「これでもか」っていうくらいきける。これじゃ、受け身になっちゃうのも当たり前だよね。
で、それが「シューカツ」とかで突然「積極性」なんて言われても、面食らっちゃうのは無理ないね。
「受け身」の極端なのが「やる気なし」っていうやつ。
本当にやる気がない人はたぶんここに来てボクの言いたい放題の物語なんて聞いていないだろうから、ここに来た人は多少なりともやる気がある人に違いない。
「自分はそこそこやる気があるけど、全くやる気なさそうなやつらをなんとかしたい」という人が多いのかも。
もしそうなら、そういう「全くやる気なさそうなやつら」がなぜそうなったのかをまず考えてみるといい。だってニンゲンの子供って好奇心いっぱいで、いつも走り回ったり、遊んだり、けんかしたりして、とても「やる気なし」には見えないよね。
じゃぁ、いったいいつどこで「やる気なし」になっちゃうの?
大きくなるにしたがって、「省エネ」モードになるっていうのはわかる。
ボクたちペンギンもけっこう省エネ。
ちょこまか動き回って、海に潜ったらすごいことになってズバズバと泳いで魚を探し回ってる、って思ってる人が多いかもしれないけれど、一度水族館のペンギンを見てごらん。基本動作は「立ってること」で、立って何をしているかというと、柵やガラスの向こう側のニンゲンを観察してるんだよね。だってエサは黙っていても飼育員さんがタダで(!)くれるから。
省エネは生き物の基本特性だから、これは他人に迷惑をかけない限り責められない。
いつどこで「やる気なし」になっちゃうのか、だったね。
ニンゲンの世界の「お馬さん競争」で、あまり足が早くないお馬さんが運も悪く残念な結果になっちゃった時に、まわりのニンゲンがみんなしょんぼりするでしょ?
すると、ニンゲンにしょんぼりしてほしくないから、もう競争には出たくない、ってなっちゃうんだって。
ニンゲンだったら、テストで赤点とったらお母さんに「どうしたの? どうしてもっと勉強しなかったの?」って叱られて、そんなのわからないから、テスト受けるの自体がイヤになっちゃうっていうやつと同じだね。
「イヤな思いをしないように頑張る」っていうタイプと「いい気持ちになれるように頑張る」っていうタイプは生まれつきだっていう話を長老がしてたよ。「タコも同じ」と聞いて驚いたけど、たしかにペンギンもそうだね。ボクはだんぜん、「褒められ好き」。
エレノワも「成功は成功の上にしか築けない」って言ってた。
これじゃ、うまくできない子はいつまでたってもダメみたいだけど、ニンゲンのダメダメくんたちは、うまくいってるのに、うまくいったっていうことが見えてない。うまくできないことを叱られ続けたんだろうね、きっと。
「してはいけないことをしてしまった」時には叱られないとわからないかもしれない。
でも、できないことを叱ってもどうしていいかわからないだけ。
お馬さん競争のしょんぼりと同じ。
50点しかとれなかったら、50点とれたことを一緒に喜んで、どうしたら残りの50点をとれるか探す手助けをしてあげればいいのに、って思うね。「こうするんだよ」ではなく、「こうしてみたら?」の方が効果的。自分で見つけた方法は一生忘れないから。そして「受け身」にならないですむから。
きっかけが見つからなかったら子供を見てみよう。
ニンゲンもペンギンも子供の好奇心は一緒。
それをニンゲンは忘れるのが早いだけ。
このページの短縮URL : http://wp.me/p7RXjc-1c