初めましてのご挨拶

投稿者: | 2016年9月15日

思えば、中学入学以来なにか自分の中に足りないものを感じつつ、それが何なのかハッキリせず50年近くを過ごしてきました。中学の校長は始業式や終業式など、ことあるごとに「強い意志を作るんだゾ」と口癖のように言うイエズス会師でした。彼は「勉強したくないんだったら自分のように炭鉱で石炭を掘りなさい」という父親の声に叱咤されて、ギムナジウムから大学に進み、やがて神学を学んでイエズス会司祭となり、戦後すぐの日本で男子中高一貫校の校長になりました。

私はといえば、中学生なりに自分をなんとか律したいと思いながらも、なかなかその「強い意志」というものがどうしたら作れるのかわかりません。そんな「もやもや」は濃淡こそあれ、それから50年近く私の中に形を少しずつ変えながら居続けたようです。

仕事人生もボチボチ卒業か、という齢に達して、全くの偶然で人材業界に奉職することとなり、「積極性を大切に」「モチベーションを持とう」「やる気を出して!」と派遣社員たちを励まして送り出す側になりました。しかし、ふと立ち止まって考えてみると、果たしてそんなことを彼らに言えた義理なんだろうか、という疑問が頭をもたげます。

「強い意志」が何なのか、どうしたらそれを作れるのか、ぼんやりと探しながらも、「これだ!」というものを見つけられずに過ごしてきた者がどうやって「積極性」を語れるのだろうか、という念が日増しに強くなります。

調べたり、勉強したりすることは、得意とまではいかないまでも、その方法はわかります。これという本は片っ端から読み、人の話をきき、自分で考えてもきました。しかし、どうにも「これだ!」という Ah! Ha! までは至りません。そんな中、「すぐやる」というワードを検索していて見つけた本で「コーチング」と「NLP」が推奨されているのを見て、ともかくもコーチングというものを受けてみようと思い立ちました。コーチ選びでは、「やる気を見つける」という目的にかなう人を探すのに苦労しましたが、「サーカスアーチスト」という、全く自分には縁のない世界で活躍するアスリートに出会い、「一度に一人だけ」という難条件にもかかわらず運良く前の人の終了タイミングで依頼をすることができ、ヨーロッパが拠点の彼女から Skype セッションを受けることができるようになりました。ある時はドイツの自宅から、またある時はロンドンのカフェから。

彼女は決して「教える」ということをしません。絶対に答えを直接言わないのです。そして、せいぜい二つくらいのワーク課題を宿題として出します。それに取り組むうちに私自身が発見してゆくことを通して、少しずつ「答え」を自分で見つけさせる、というアプローチでした。これは、好奇心だけは他人に負けないという自負があり、また実験大好き人間でもある私にはうってつけの方法でした。しかも、アマノジャクなので他人がすでに提唱している方法では満足できません。

そうして、楽しくもがくこと約半年、あるワークを通して、自分としてはかなり満足できる「やる気」「内発的動機付け」「モチベーション」についてのフレームワーク表現に達することができました。このサイトはそんな私の発見を皆さまと分かち合いたい、との思いで作りました。自分語りそのままでは特殊事情のノイズが多すぎ、また皆さまのご参考としてはいささか遠回りすぎるきらがあります。そこで採用したのが「ペンギン語り」です。もともとペンギンが好きで、SNSでのプロフ写真をペンギンにしているくらいですから、ペンギンキャラになりきることは楽しいことです。多少の暴走やタメ口もお許しいただけるのでは、というわがままな思いもあります。

そんなこんな、とてつもない紆余曲折と偶然の出会いを経て生まれたこのサイトは、家庭教師エレノワ、いえ、ディープコーチ Maiko* と、このアイディアに対して様々な示唆をいただいたたくさんの友人、研究仲間、仕事上のつながりのある方々のご協力のたまものです。なかでも人材会社で働くことになった時に「社員のやる気をなんとかして引き出してやってほしい」と、大きなテーマを与えていただいた経営トップには特別の感謝を記したいと思います。

本日このサイトをオープンできるのは、本当に皆さまがたのおかげです。どうぞ、これからも長くイワトフの暴走を暖かく見守ってやってください。

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