外で雲と遊ぶ

投稿者: | 2016年9月5日

エレノワ定番、
「外に出て雲と遊ぶ」

みんなで暮らすコロニーから少し離れた丘の斜面まで行って、遠くかすかに聞こえてくる仲間の声を確かめたら、空に目と耳を向ける、はるか高いところでカモメが大きな輪を描いている。雲と風が語りかけてくる。足の下から感じる氷の温度が昨日より少し暖かい。

海では、クジラが潮を高く吹き上げて、大きな尾びれを海にたたきつけるのが波の間からかすかに見え隠れしている。仲間たちが今ごろ、あのあたりでオキアミを追っているんだろうな。

ボクは目をつむって、いましがた見たものを今度は心に描いてみる。風や氷やお日様の光を、一生懸命できるだけ鮮やかに感じるようにして、感じたらふわっと流す。
今度はこれまでに体験したいろんな場面が、その時のまわりの音や感じた気持ちと一緒に次から次へとボクの心に浮かび上がってくる。
それも、さっと感じたらふわっと流す。

風や空や雲、お日様と地面の匂い、仲間やカモメのかすかな声がだんだんハッキリ聞こえるようになってきて、ボクはみんなと一つにつながっているようか感じがしてくる。カラダがぐるぐる回り出すような不思議な感じ。

ボクたちが育ったところにはお花畑も高い木もない。もともと自然そのものの中で暮らしていたけど、それでも、みんなから少しだけ離れてしばらくのあいだ過ごしてみると、こんなふうに「ざわざわ」を忘れて何かがつながる感じがする。

うん、なんかボクが小さい雲から大きな雲にジャンプしながら強くなっていくのが見える。

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