チャンクダウンが物事をより小さい分類に分けてゆくのに対して、その逆により大きな分類にまとめてゆくのがチャンクアップです。多くのものを含む、より上位の概念で表すわけです。同様に、チャンクダウンが「より具体的に、例をあげて」なのに対してチャンクアップは「抽象度を上げる」方向になります。
・チャンクアップは一通りとは限らない
この図の矢印がチャンクアップの方向を表します。下位の分類から中位へ、そしてさらに上位の分類へとまとめてゆく様子がおわかりいただけると思います。この図では下位のものはチャンクアップでただ一つのより上位の分類にそれぞれまとめられていますが、一つの物事に対する上位の分類は一つとは限りません。異なる性質に着目してまとめると別の上位概念で表現されます。たとえば果物のオレンジを例にとれば「柑橘」「果物」「生鮮食品」「食品」などと、順にチャンクアップできますが、「オレンジ色」という性質に注目してまとめれば「オレンジ色のもの」、「丸い(球に近い)」なら「丸いもの」というふうに。「私の好きな食べ物」かもしれません。
・チャッンクアップを意味や目的ととらえる
チャンクアップは、「より広い意味でいうとどういうこと?」という質問に対する答えと見ることもできます。つまり言い方を変えると目的や意味という観点から抽象度を上げてゆくということで、「それは何のため?」「その目的は?」という質問に対する答えでもあります。このようなとらえ方をするとチャンクアップは「メタに上がる」と近いものといえます。
・やる気やモチベーションを強める手段
より上位の概念でとらえる、抽象度を上げるという意味をもつチャンクアップとやる気やモチベーションがどのように関係があるかわかりづらいかもしれません。これは逆に「やる気が出ない」つまり、「すべき」ということは理解していても行動が起こせない、動けないという時のことを考えてみると結びつきが見えてくるのではないでしょうか。チャンクアップして「何のためにするのか?」ということを考える(メタに上がる)と、今なかなか取りかかれないと悩んでいるのとは別の方法(あらためてチャンクダウン)を思いつくかもしれません。つまりもともとの出発点からみると、別の選択肢が見えて多様性が生まれてきたわけです。このようにチャンクアップとチャンクダウンは多様な見方を促すのに役立ち、動けなかった物事に対して動けるようになることを通してやる気やモチベーションを強めます。
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